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テイクレーンとコンピングの機能強化

コンピングとテイクレーンはSONAR X3で大幅に機能強化されました。複数テイクから最終テイクを作成するのが以前より簡単に素早くできます。

新しいコンピング録音モードを使用した複数テイクの録音。

残しておきたいテイクを素早くアイソレート。

機能強化されたスマートツールまたは新しい専用コンピングツールの使用。

異なるテイク間の編集可能なクロスフェードの自動作成。

個々のテイクまたはテイクレーン全体を直感的に試聴することが可能。

未使用テイクや空のテイクレーンを素早く除去。

アイソレートしたテイクを平坦化して新しいテイクレーンにする。トラックごとに無制限に別のコンプを作成。

柔軟なコンピング方法

SONARにはコンピングに使用できる主な方法が3つあります。

コンピング録音モード：SONARのデフォルト録音モードはコンピングと呼ばれます。録音中に、そのトラックに以前に録音したデータを聞くことはできません。録音が終了すると、新しく録音されたデータがミュート解除され、その他のすべてのテイクは新しい録音データの範囲のみミュートされます。各テイクはそれぞれ個々のテイクレーンに表示され、最新のテイクが一番上になります。詳細については、コンピング録音モードおよび録音モードを参照してください。

手動コンピング： トラックにテイクレーンが表示されている場合、スマートツール またはコンピングツール を使用して重なり合うテイクをアイソレートできます。テイクをクリックするかドラッグするだけで、同じトラックで重なり合っている他のすべてのテイクがミュートされます。アップデートしたスマートツールと新しいコンピングツールによりコンピングのワークフローが大幅に機能強化されています。詳細については、スマートツールおよびコンピングツールを使用したコンピングを参照してください。

高速コンピング：複数テイクの録音後に、個々のテイクを試聴し、キーボードショートカットキーを使用して他のテイクの試聴をしてから、使用するテイクを選択できます。詳細については、高速コンピングを参照してください。

最適なコンプを作成する方法は、1つまたはそれ以上あります。SONARでは変更可能なクロスフェードがテイク間に自動適用されるため、ユーザーは最終コンプを素早く新しいテイクレーンに平坦化して元のテイクをミュートできます。

新しいデフォルトのコンピング録音モード

SONAR X3では、コンピングという新しい録音モードが導入されました。これがデフォルトモードです。

このモードでは、そのトラックに録音されているデータを録音中に以聞くことはできません。録音が終了すると、新しく録音されたデータが再生され、その他すべてのテイクは新しい録音データの範囲のみタイムミュートされます。

コンピングモードが有効なときには、コントロールバーのトランスポートモジュールの録音ボタンが に変わります。録音モードを変更するには、録音ボタンを右クリックします。

詳細については、録音モードを参照してください。

 

関連項目：

録音モード

最新テイクを先頭に表示

最新（日時順で最も新しい）のテイクはレーンで先頭に表示されます。

テイクレーンには自動的に名前が付けられます。最初のレーンにはT1と名前が付けられ、次のレーンにはT2というように名前が付けられていきます。レーン番号は、レーンの再配置、挿入、削除をしても変わりません。

コンプクリップ

複数のテイクレーンを表示するとき、親トラックにはトラック内でミュートされていないすべてのクリップを重ね合わせた形でコンプクリップが表示されますが、コンプクリップには実際はオーディオデータもMIDIデータも存在しません。テイク間にタイムギャップがあれば、1つのトラックに複数のコンプクリップを入れることができます。

各コンプクリップには統一ヘッダーバーがあり、これにより複数テイクを1つのグループとして選択して移動できます。

コンプクリップはトラックの非ミュートテイクの視覚表現

A.コンプクリップ  B.テイク

テイクレーンを非表示にするとコンプクリップも非表示になり、テイクは通常のクリップとして表示されます。

詳細については、コンプクリップを参照してください。

テイクレーンの管理の改善

SONARには、テイクレーンの管理を速く簡単にする、新しいコマンドがあります。コンプクリップを右クリックすると、次のコマンドにアクセスできます。

ミュートされたトラックを削除： カレントトラック内のミュートされたテイクをすべて削除します。

コンプトラックを平坦化：アイソレートしたすべてのテイクをコンプという新しいテイクレーンにバウンスします。新しいテイクレーンはソロになり、クリップはそれ以上編集されないようにロックされます。

空のテイクレーンを削除：カレントトラック内の空のテイクレーンをすべて削除します。

新しいグローバルコンピングツール

新しいグローバルコンピングツール を使用すると、テイクレーン内のテイクを素早くアイソレートできます。テイクをクリックするとそのテイクがアイソレートされ、ドラッグすると時間範囲が選択されます。そして、SONARは同じトラック内で重なり合っている他のすべてのテイクをミュートします。アイソレートまたはミュートするため、クリップは必要に応じて分割されます。

コンピング操作ができる場合、マウスポインターは のように表示されます。コンピングには、スマートツール またはコンピングツール のどちらかを使用できます。

アイソレートするテイクをクリックする

詳細については、テイクレーンでコンピングツールを使用するを参照してください。

アイソレートと修復の新しい動作

SONARのスマートツール またはコンピングツール にはアイソレート機能があり、これを使用して1つのテイクレーンで領域を選択して、同じトラックの他のすべてのテイクレーンの同じ領域を自動的にミュートすることができます。これにより、各テイクレーンから最適の部分を組み合わせて、最終的に完全な1つのテイクを素早く作成できます。

旧バージョンのSONARでは、アイソレート機能はテイクレーン内のクリップをアイソレートしたときに時間によるミュート（部分的なクリップミュート）を実行していました。ワークフローを改善してクロスフェードに対応するために、SONAR X3ではアイソレートとミュートを行う領域を定義するために必要に応じてクリップを分割し、クリップのミュートまたはミュート解除を行うように変更されました。

クリップを分割する作成される2つのクリップには同じデータが入っていますが、スリップ編集は異なっています。SONARはコンピングの際に作成するクリップができるだけ少なくなるよう自動的に調整します。クリップを分割した場合、分割を削除することにより後で「修復」できます。SONARは2つのクリップが隣り合っていて、同じオーディオデータが入っていて、それらのクリップが互いに対して相対的に移動していない限り、クリップ分割を修復できます。

スマートツール またはコンピングツール を使用してアイソレートとミュート/ミュート解除を実行する場合、SONARではクリップ数を減らすため、可能な場合は自動的に分割クリップを「修復」します。ユーザーは試聴（アイソレート）する領域を指定するだけで、SONARにより自動的にクリップの分割、ミュート/ミュート解除、および修復が行われます。

アイソレートする領域をドラッグして選択する

SONARによりテイクの分割とミュートが行われ、アイソレートとミュートを行う領域が定義される

別の領域をドラッグしてアイソレートすると、SONARが必要に応じて自動的に以前の分割を修復する

隣接する修復可能なクリップは手動で修復することもできます。これを行うには、それらのクリップを選択し、Ctrlキーを押しながら選択したクリップのいずれかをクリックします。

詳細については、クリップのミュートとアイソレート（ソロ）およびアイソレート（クリップのソロ）を参照してください。

1つのテイクレーンに重なり合うクリップは存在できない

同じテイクレーンで2つのクリップが重なり合うことはできません。2つのクリップを重なり合わせる場合は、各クリップを別のテイクレーンに配置します。

クリップをテイクレーンに移動、貼り付け、または録音すると、新しいデータを入れるために、その範囲にあった既存のクリップデータがスリップ編集されるか削除されます。

プロジェクトにオーディオデータまたはMIDIデータを追加すると新しいテイクレーンが作成される

プロジェクトに新しいオーディオデータまたはMIDIデータを追加すると、新しいデータは新しいテイクレーンに配置されます（ただし、カレントトラックが空の場合を除きます。この場合、そのテイクは最初のテイクレーンに配置されます）。

「テイク」とはトラックに入れられる新しいデータのことです。これは録音されたオーディオまたはMIDI、ドラッグされてきたループ、またはインポートされたファイルの場合があります。トラックにデータがある場合、そのトラックには少なくとも1つのテイクレーンがあります。新しいテイクごとに新しいテイクレーンが1つ作成されます。

メモ：上書きモードでは、既存のレーンが存在しない場合にのみ、新しいテイクレーンが作成されます。存在する場合は、新しいデータによって既存のレーンの既存のデータが上書きされます。

高速コンピング

テイクごとに素早く試聴して、保持するテイクのみを選択できます。

次の操作を行ってください。

1.	試聴するテイクを選択します。

 

 

2.	Shift+スペースを押して、試聴再生を開始します。試聴は継続的にループします。タイムルーラには一時的なループマーカーが表示されます。

3.	↑キーまたは↓キーを押すと、次または前のテイクの試聴に移ります。テイクレーンには連続する番号が付けられ、最新のテイクが先頭に表示されます。

4.	気に入ったテイクを指定するには、Enterキーを押してテイクをアイソレートし、他のすべての重なり合ったテイクをミュートします。SONARでは必要に応じて自動的に他のテイクの分割とミュートを実行します。

 

5.	←キーまたは→キーを押すと、タイムラインに沿って別のテイクに移動します。

6.	ステップ3から4を繰り返して、コンピングを完成させてください。

 

ヒント：他のトラックとの前後関係を含めて複数のテイクを試聴するには、コントロールバーのミックスモジュールでDIMソロモードをオンにします。詳細については、Dim Soloモードを参照してください。

ヒント：高速コンピングを行う前に、スマートツールかコンピングツールを使用して各曲の上をドラッグしてテイクをより小さなフレーズに分割することをお勧めします。このようにすると、コンピング中に短いフレーズを素早く簡単にミュートまたはミュート解除できます。詳細については、スマートツールおよびコンピングツールを使用したコンピングを参照してください。クリップの分割、分割ツール、およびクリップの分割と結合も参照してください。

 

関連項目：

オーディション（選択データのみ再生）

最適化されたテイク間クロスフェード

コンピングの結果としてクリップが分割されるとき、SONARは隣り合ったテイクの間に短いクロスフェードを自動的に追加します。各クロスフェードの長さは、テイクレーンでそのクロスフェードを上下にドラッグすることにより手動で調整できます。

クロスフェードの長さを調整するには、隣り合った2つのクリップの下部近くにマウスポインターを移動します。マウスポインターの表示が になったら、上か下にドラッグするとクロスフェードが長くまたは短くなります。

デフォルトの自動クロスフェードの長さを指定するには、編集｜環境設定｜カスタマイズ｜編集を選択して、オートクロスフェードコンプ（0-25ms）の値を変更します。

マルチトラックグルーピング

複数のトラックを同時に録音するとき、クリップをどのようにグループ化するかを指定できます。編集｜環境設定｜プロジェクト｜録音では次のオプションを選択できます。

すべてのクリップをグルーピング：同時に録音されたすべてのクリップを1つのクリップグループに配置します。

フォルダ内のクリップのみグルーピング（デフォルト）：フォルダ内のすべてのクリップがグループ化されます。別のフォルダには別のグループが入ります。フォルダに入っていないトラックはグループ化されません。

グループトラック化しない：ループ録音が有効な場合、新しいテイクはそれぞれ別のクリップグループに属します。

詳細については、クリップグループおよびマルチトラックグルーピングを参照してください。

トラックとレーンの間でのクリップのドラッグ

クリップを別のトラックにドラッグする場合は、次の規則が適用されます。

複数のクリップを個別のソーストラックまたはテイクレーンからドラッグすると、次のようになります。

ドラッグされたすべてのデータ間の相対的な位置は変わりません。

ドロップしたときには上書きされます。

データに対応できる十分なテイクレーンがない場合、すべてのレーンに対応できる有効なトラックかレーンにドラッグするまで、ドロッププレビューは表示されません。

親トラックにドロップすると、ソーステイクレーンごとに新しいテイクレーンが追加されます。

テイクレーンが閉じられているトラックにクリップをドラッグすると、新しいテイクレーンが作成されます。

テイクレーンが開いているトラックにクリップをドラッグすると、クリップは既存のテイクレーンに配置されます。

ロックされたクリップの上部にデータをドロップすると、ドロップは中止され、変更は実行されません（ソースデータは選択されたままで移動されません）。

データを最後のトラックの下にドラッグすると、新しいトラックが作成されます。

オーディオクリップをMIDIトラックにドラッグすると、オーディオデータは短時間で分析され、MIDIデータに変換されます。

 

関連項目：

コンピング

SONAR X3の新機能について

 

関連項目：

テイクレーン

テイクレーンの使用

ループ録音時にテイクごとに別テイクレーンに録音する

クリップのミュートとアイソレート（ソロ）

オーディション（選択データのみ再生）

アイソレート（クリップのソロ）

テイクレーンでスマートツールを使用する

テイクレーンでコンピングツールを使用する